面積(dm²)と電流密度(A/dm²)の解説
今回は、電気めっき3級の問題を参考に『面積と電流密度』について解説します。
次の問題を解いてみてください。
【問題】下図の形状をした金属板の両面に電流密度3A/dm²でめっきする場合、理論上 必要な電流は何Aか。ただし、板厚は無視するものとする。
こんな問題が【電気めっき3級】の過去問で出題されていました。
めっきの基礎となる必要な電流の問題ですので、しっかり覚えましょう!
この問題に必要な知識
まずは問題文を理解しましょう!
- 「金属板の両面に」なので、面積×2
- 3A/dm²とは?
- 1dm²とは?
上記の点に着目して解説していきます。
「金属板の両面に」は、めっきの問題に多く出題される
この「金属板の両面に」という問題の出し方は、めっきの問題に非常に多く見られます。
一見すると単純な問題のように思えますが、この文言を見落とすと、解答を大きく間違えてしまう可能性があります。
なぜ見落としが致命的になるのか?
金属板の表面積を計算する際には、両面の面積を合計する必要があるからです。問題文を見落とし、片面のみの面積を計算してしまうと、答えが半分の値になってしまうのです。
確実に正解を導き出すための対策
問題文を解く際には、以下の点に注意しましょう。
- 問題文全体を丁寧に読み、見落としがないか確認する。
- 金属板の両面にめっきを施すという表現を見かけたら、表面積を2倍することを忘れない。
- 解答を出す前に、単位を確認する。
3A/dm²とは?
3A/dm²は、電流密度を表す単位です。これは、1平方デシメートルあたりの電流を表します。
Aはアンペア、dm²は平方デシメートルを表します。
面積が1dm²だった場合
3Aの電流を流すことが3A/dm²となります。
面積が2dm²だった場合
6Aの電流を流すことが3A/dm²となります。
1dm²とは?
1dm²は、デシメートル平方メートル(decimeter squared)の略称で、面積の単位です。1デシメートルは10センチメートルに等しいので、1dm²は10cm × 10cm = 100cm²に相当します。
【mm²】を【dm²】に変換する
部品の図面はミリ表記のため、ミリをデシに変換する必要があります。
上記の100×100の正方形を例にミリをデシに変換していきます。
mm²を算出
1000mm²=1dm²なので、mm²の10000分の1が1dm²となります。
dm²に変換
ここまでの解説を踏まえた上で最初の問題を解いてみましょう!
【問題】下図の形状をした金属板の両面に電流密度3A/dm²でめっきする場合、理論上 必要な電流は何Aか。ただし、板厚は無視するものとする。
- 面積を求める
- mm²をdm²に変換する
- 両面なので、面積は×2
- 3A/dm²なので、面積×3A
この手順で問題を解いてみてください。
では、答え合わせをしてみましょう!
1.面積を求める
100mm×50mmは5000mm²
2.mm²をdm²に変換する
5000mm²÷10000は0.5dm²
3.両面なので、面積は×2
0.5dm²×2は1dm²
4.3A/dm²なので、面積×3A
1dm²×3Aは3A
よって、答えは3A
正解できましたか?
まとめ
今回は、めっきの基礎の基礎である3級の過去問を参考に問題を解いてもらいました。
今回の問題の必要な知識は
- 「金属板の両面に」なので、面積×2
- 3A/dm²とは?
- 1dm²とは?
となります。
1.「金属板の両面に」なので、面積×2
「金属板の両面」という表現はめっきの問題によく出題されます。問題文をよく読んで、両面の場合は面積を2倍にしましょう!
3A/dm²とは?
3A/dm²は、1dm²あたり3Aの電流を流すということです。
1dm²とは?
1dm²とは、10cm×10cmの正方形の面積と同じです。(読み方は1平方デシメートル)
部品の図面上、数値がmmなので【mm²】を【dm²】に変換する必要があります。
方法はmm²を10000で割ってください。
以上の知識を十分に理解して問題に挑みましょう!